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- #46 困難さにどう向き合うのか(後編)
前回、困難さに関連して「自我」というお話をしました。つまり、自分が自分という存在をどう意識するのか、というお話です。そして、その自我が小さいとき、困難さは大きくなるという話をしてきました。 さらにその解決方法として、自分という存在を広げることが大切で、そのためには自分自身の別の側面を見ること、そして相手という存在を自分の内側に入れていくこと(大きな自分を意識すること)が大切だとお話してきました。 これこそが、僕が普段お伝えしている、馬を見ることであり、自分に矢印を向けることです。こう言っている私の言葉を文字通り理解しようとする皆さんにとって、これは逆のことを言っているのではと感じることかもしれません。しかし、そうではなくこれは同時にできることであり、むしろ同時にすることでより加速する(逆にそうではないと上手く機能しない補完的な関係性の)ものです。 自分が縮こまっているとき、あなたはある意味では過度の集中状態にあります。要はこの視野を広げることをしていかなければいけないのです。その両輪が前回と今日お話ししている両輪です。相手を見ようとする、それと同時に自分自身の体感覚を感じようとする。冷静になって俯瞰するための、思考を上手く働かせるための、感情から解き放たれるための動きです。 馬という生き物はあなたがそれをすることを分かりやすくしてくれます。なぜなら、馬という生き物は「自我」が曖昧な生き物だからです。それは、自我がないという意味でもないですし、常に相手のことを考えてくれるという意味でもありません。繋がりたいと願う相手が存在したときに、馬という生き物は常にオープンマインドを持っていて、自我を広げてくれるということなんです。 この柔軟な「自分」という捉え方こそが、馬の不思議な魅力でもあると思います。ただ自分勝手にご飯を食べたい、寝たい、行きたくない、という時もあれば、とっても相手のことを想って頑張ってくれる時もある。これが、相手のあり方によって反応として即時に切り替わる。これが馬の特徴なのです。自我が薄いとも言えますし、自我が柔軟とも言えるし、すごくストレッチする、といっても良いかもしれません。 いずれにしても、こんな馬と一緒にいると、あなたがどんなマインドで馬に接しているのか一目瞭然です。あなたがオープンマインド、オープンハートであれば馬はそれに応えてくれます(馬に特別な事情がある、例えばものすごくお腹がすいたり、身体が痛いときは別です)。それを知ると、馬とあなたは本当に簡単に繋がることができると感じるはずです。 僕自身、ウマットメンバーの皆さんにはその境地を体験し、毎回再現はできずともそういう世界があることを知り、信じ、目指そうとしてほしいと思います。是非一緒に馬との素晴らしい体験を感じてみましょう!
- #45 困難さにどう向き合うのか(前編)
こんにちは、高田崚史です。うだるような暑さが中部圏を襲っています。殺人的です。南相馬も暑くなっていますが、唯一救いなのは今年我々Horse Valueは8月の休業を宣言していることです。ウマットのメンバーさんにはご不便おかけしますが、是非ご理解いただくとともに、我々に事前にコンタクトしていただいて馬たちに会いに来て、いつもとは異なる関わり方をしていただき、学びを深めていただければと思います。 さて、先日TOPAさんという僕が何度かホースミラーリングセッションを共同開催させていただいた方と「困難さにどう向き合うのか」という対談をしました。この動画は近日公開予定ですので、楽しみにしていただけると嬉しいのですが、今回はその対談を終えて感じたことを書いていきます。 僕は、困難さを2つに大きく分類していて、環境的困難さと内面的困難さです。その両方をバランスよく観ていくことが大切だと思っていて、例えば馬に乗るのが上手くならない、という困難さには、乗馬クラブ選びという環境的困難さと、馬への恐怖という内面的困難さがあると考えています。よくあるのが、どちらかに問題意識が偏ってしまうこと、内面的困難さに偏りすぎると自分を責めて簡単に変えられる環境的要因に目がいかなくなります。逆に環境的困難さだけを見てしまうと、他責になりすぎてしまいます。 とはいえ、環境的困難さも最終的には内面的困難さがベストな決断をさせてくれないこともあります。2つの困難さを切り分けてバランスよく考える必要があるとともに、内面的困難さにどう立ち向かうかのほうがより難易度が高く、複雑性が高いことも事実だと思います。 この内面的困難さ、というものの鍵が「自我」という存在です。自分という存在に対する意識そのものが、困難さを定義付けます。逆に、自分という存在が薄くなれば今まで困難であったことが困難でないように感じることができるようになります。一般的に、悟りというのはこういった状態を指します。 例えば、乗馬で上手くいかないときに、自分自身の怖さのみにフォーカスしているとき、あなたが定義するあなたは本当に小さな自分の恐怖心そのもの、のような感覚です。でも実際のあなたは、恐怖に支配された小さな自分だけではありません。好奇心をもって楽しむ、勇気を持って進むあなたもいるはず。でも、恐怖を感じて没頭しているあなたはとっても小さなあなたです。 だからこそ、この感情を俯瞰してみること、自分自身の別の姿を見るということは非常に重要になります。自分自身の可能性を見る、ということもできます。これがある種、自分に矢印を向けながら自我を広げていくことです。 もう一つは、馬という意識に矢印を向けて、馬と自分を一つの生命体のように捉えてそれをひっくるめて自分と感じられるようにすることです。そうなってくると、あなたが恐れる対象物の馬、という存在はなくなります。そうやって自分を広げていくと先ほどお話ししたような新しい自分の側面の発見にも繋がります。 これこそが、僕が普段お伝えしている、馬を見ることであり、自分に矢印を向けることです。
- #44 愛の中には「罪悪感」がない
こんにちは、高田崚史です。 最近、『愛するということ』という本を改めて読み返していました。 その中で、とても印象に残った考えがあります。 それは、本当の愛があるところには、「罪悪感」や「恥」によって相手とつながる関係は存在しない、ということです。僕自身は馬との関係性の中にそんな理想形を感じているんです。 私たちは人間関係の中で、意外とこういう感情を使ってしまいます。 「怒られたくないから頑張る。」 「嫌われたくないから我慢する。」 「期待を裏切ってしまった。」 もちろん、それ自体が悪いわけではありません。 ただ、その気持ちが関係性の土台になってしまうと、お互いが自由ではなくなってしまいます。 馬と接していると、このことを強く感じます。 馬は、人間のように「空気を読んで我慢する」ことがほとんどありません。 嫌なら嫌と伝えますし、不安なら不安を表現します。 逆に、安心できれば安心した姿を見せてくれます。 だから馬との関係には、「こうしなければ嫌われる」という駆け引きがありません。 あるのは、その瞬間の関係性だけです。 僕は、この姿がとても理想的だと思っています。 もちろん、人が馬に何をしても許されるという意味ではありません。 信頼を失えば、馬は離れていきます。 でも、それは人間同士のように「責める」わけではなく、ただ正直に反応しているだけです。 だからこそ、こちらも取り繕うことができません。 技術でごまかすことも、言葉で言い訳をすることもできません。 自分がどんな状態で馬と向き合っているのかが、そのまま関係性として返ってきます。 以前、「理想の関係性とは、成長に向かう動きの中にある」と書きました。 その土台には、お互いを恐れたり、評価し合ったりする関係ではなく、罪悪感や恥がなく、安心して本音を出せる関係が必要なのだと思います。 馬は、その関係を最初から教えてくれる存在です。 だからこそ、馬と過ごしていると、「どうすれば相手に認められるか」ではなく、「どうすればもっと通じ合えるか」を考えるようになります。 その違いは、とても大きいと思います。 僕は、乗馬が上手くなること以上に、この関係性を経験できることに大きな価値があると感じています。 馬は今日も、私たちを評価することなく、ただ正直に向き合ってくれます。 だからこそ、こちらも素直に向き合える人でありたい。 そんなことを、『愛するということ』を読みながら感じました。
- #43 オンライン講座をやってみて感じたこと
こんにちは、高田崚史です。 今日は、最近始めたオンライン講座について少し書きたいと思います。 すでに第2回まで終わったのですが、やってみてまず感じたのは、思っていた以上にこういう場には需要があるんだな、ということでした。 乗馬をしている人の中には、 「頑張っているのに上手くなっている気がしない」 「毎回同じところでつまずく」 「何を意識すればいいのか分からなくなる」 という悩みを持っている人が多いのだと思います。でも、それは決してその人に才能がないとか、感覚が悪いという話ではないと思っています。 むしろ、皆さんと話していて感じるのは、多くの人が真面目に頑張っているということです。 ただ、その頑張りがうまく成長につながる形になっていない。 そこに難しさがあるのだと思います。 今回の講座では、乗馬をただ「技術」だけで見るのではなく、自分の意図、感情、考え方、身体の使い方がどうつながっているのかを一緒に見ていっています。 皆さんに説明しながら、お話を聞きながら改めて感じたのは、この4つはバラバラに存在しているものではないということです。 さらに言えば、ただつながっているだけでもありません。 そこには順序があり、流れがあり、ひとつのサイクルとして回っているのだと思います。 たとえば、身体が固くなっている時、単に「力を抜きましょう」で解決するとは限りません。 その前に、焦りがあるかもしれないし、「上手くやらなきゃ」という気持ちがあるかもしれない。 あるいは、そもそも何をしたいのかが曖昧で、身体だけが先に動いてしまっているのかもしれません。 逆に、馬との間に安心した空気がある時は、自然と考え方も落ち着きますし、合図も丁寧になります。 意図がはっきりしていると、身体の動きにも迷いが減ります。 つまり、乗馬で起きていることは、見えている身体の動きだけではなく、その人の内側の状態や考え方と深くつながっています。 そして、そのつながりが正しい順序で流れているかどうかが、とても大切なのだと思います。 これは、講座をやってみて参加者の皆さんの話を聞く中で、よりはっきり見えてきたことでした。 「自分はここで焦っていたんだ」 「いつも身体だけを直そうとしていた」 「乗る前の気持ちが、そのまま馬に出ていた気がする」 そんな気づきが出てくると、乗馬の見え方が少し変わります。上手くいかなかったことを、ただ反省するのではなく、 「どこがつながっていなかったのか」 「どこから順序が崩れ始めたのか」 と見られるようになります。 これはとても大きな変化だと思います。 乗馬は、どうしても技術の話になりやすいです。 もちろん技術は大切です。 でも、その技術を支えているものが整っていなければ、同じ練習をしてもなかなか積み上がっていきません。 だからこそ、今回の講座では、何か特別な正解を教えるというよりも、自分の中で起きていることに気づき、それを馬との関係の中で見直していくことを大切にしています。 第2回まで終えて、これはやはり必要な取り組みだったなと感じています。 参加してくださっている皆さんの反応も良く、僕自身もたくさんの気づきをもらっています。 まだ講座は始まったばかりですが、これから回を重ねる中で、どんな変化が生まれていくのかとても楽しみです。 またそこで感じたことも、皆さんに共有していきたいと思います。
- #42 理想の関係性
こんにちは、高田崚史です。6月前半…この時期が明けると本当に暑くなりますね…怖い限りです。さて、今日は理想の関係性について書きたいと思います。ちょっと小難しい話ですが頑張って読んでください。 いつも、僕は馬との一体感について色々な媒体で語っています。僕は一体感を3つに分けています。身体的一体感、精神的一体感、行動的一体感。ここの要素として、乗馬においては相手の動きに合わせタイミングを合わせること、馬と心を通わせ望みを一致させること、お互いが自律的に動くことを求めています。 この一体感と理想の関係性、ということについて少し発見があったのでこれから書きます。理想の関係性を追及する、というとお互いが心地よいところに留まる、というイメージを持つかもしれません。しかし、残念ながらそれでは一体感は生まれません。なぜなら、先ほどお話しした一体感の3要素全てを満たすような感覚にならないからです。 言葉を変えて言うと、一体感というのは、成長に向かう動きの中で感じられるものであり、決して静的なものではありません。つまり、理想の関係性というのは、同様に静的であるはずがないのです。常に、理想の関係性とはお互いをより深く知り、より深く理解しあい、より深く共鳴しあい、より深い一致がある、そんな方向性に向かっている(向かおうとすること)が重要なのです。 実は、馬との関係性においてこの点を少し忘れている人は多いかもしれません。つまり、馬ともっと仲良くなる、というのは今一緒にいて安心安全で心地よい、ということ以上のものであるはずなのですが…そこを忘れて留まろうとしてしまっているように思います。 もちろん、前提にあるのはお互いを想い、愛するという大きな前提であり、そこが安心安全に繋がります。ただ、ウマットメンバーの皆さんはそこに関しては問題ないと思います。ここについては何度もお伝えしてきました。だからこそ、その先の「理想の関係性」を求めてほしいのです。そこに向かう中では、想いを一致させる、その想いに対して自分から望んで行動するようになる、ということを起こしていく必要があるのです。 だからこそ、馬術競技というのは一つ、これを実感する手段として良いものだと思います。くるびさんが競技会を経て、グラと分かり合えた、と言っていたのですが、まさに愛情が「深まる」感覚を実感したからだと思います。 理想の関係性への道は、馬とであれば大いに再現性があると思っています(人同士だと自我が強く難しいんですが…)。なぜなら、馬はその理想の関係性を遺伝子レベルで知っていて、求めているからです。自我が薄く、一体感を持ちやすいからです。ぜひ、ウマットメンバーの皆さんには、この理想の関係性の素晴らしさを伝えていけたら、そして皆さんがそこに近づくようにサポートしていきたいと思っています。
- #41 野馬追を終えて感じたこと
こんにちは、高田崚史です。 今年の野馬追も無事に終わりました。 まずは、関わられた皆さん本当にお疲れさまでした。暑い中で準備や運営をしてくださった方々、サポートしてくださった方々、本当にありがとうございました。 そして何より、Horse Valueの馬たちが無事に帰ってきてくれたことにほっとしています。 野馬追が終わると毎年思うのですが、やっぱり一番大事なのは「無事で終わること」だなと思います。馬も人も元気に帰ってこられて初めて、良い野馬追だったと言えるのだと思います。 一方で、今年は放馬事故がありました。 報道や映像をご覧になった方も多いかもしれません。 もちろん馬と関わる以上、事故を100%防ぐことはできません。どれだけ経験のある馬でも、どれだけ準備をしていても、予想外のことは起こります。 だからこそ今回の件は、「仕方ない事故だった」で終わらせるのではなく、学ぶべきことがたくさんある事故だったように感じています。 まず感じたのは馬装についてです。 詳細な経緯は分かりませんが、映像を見る限り馬装の不備や確認不足が関係していたように見えたので、とても残念なことです。 これは実は普段の乗馬でも起こりやすいことで、ウマットメンバーの皆さんにもよくお伝えしている部分です。 人間にとっては小さな確認漏れでも、馬にとっては大きなストレスや不快感になることがあります。馬は言葉で伝えられませんから、私たちが気づいてあげなければいけません。 馬装の確認は自分の安全のためでもありますが、それ以上に馬のために行うものだと僕は思っています。 そしてもう一つ気になったのが、放馬後の環境です。 馬は放たれると、元いた場所や入口方向へ向かうことが少なくありません。これは馬と関わる人であれば比較的よく知っている馬の行動です。 そう考えると、入口付近に十分な柵がなかったことは少し気になりました。 もしそこで馬の勢いを受け止めたり、進路を変えたりできるような環境があれば、被害を小さくできた可能性もあったと思います。 また、入口付近にいた方々も、馬を制御するための人ではなく、人を誘導するための警備員だったように見えました。 もちろん現場には様々な事情があったと思いますし、後からなら何とでも言える部分もあります。 ただ、それを踏まえても、今回の事故は全体として少し準備が甘かったように感じています。 馬が悪いわけではありません。多くの場合、事故から学ぶべきことは人間側にあります。 馬装の確認、導線の設計、万が一を想定した準備。そういった積み重ねが馬を守り、人を守 ることにつながります。 今回の事故は残念でしたが、野馬追に関わる人だけでなく、普段馬と接している私たちにとっても改めて安全について考えるきっかけになったのではないでしょうか。 来年以降、こうした学びが活かされて、馬にとっても人にとってもより安全な野馬追になっていくことを願っています。 改めて、今年も頑張ってくれた馬たちに感謝です。 少しゆっくり休んでもらいながら、また次の時間を一緒に楽しんでいきたいと思います。
- #40 ウマビの開発過程
こんにちは、高田崚史です。急に暑くなってきましたね。馬たちも健康に気を付けなくてはいけません。もうすぐ野馬追ですが、暑さが和らぎつつ天気が良いと良いですね…。今年の野馬追には、グラととしふく君が出陣します。今年はゴンタはお休み、彼が休むことのできる環境を整えられたことを嬉しく思います。神やりょうへいくんに感謝です。 さて、先々週に続きウマビについて話します。以前もお話させていただいたことがあると思いますが、このウマビ構想というのは1年以上前からありました。元々は、ホースミラーリングセッションで皆さんに感じてもらっているような、馬と繋がる体験をどのようにオンラインでお届けできるのか、より多くの人に分かっていただけるかがコンセプトにありました。 その中で最初に構想したのが、馬を見ながら何か習慣を進める「ながら」アプリです。馬と何かを頑張ることができれば自分も高まるし、その過程で馬と繋がることができるのでは?と考えたからです。 しかし、実際にプロトタイプを作ってみて「難しいな」と感じました。なぜなら、この前段階に「馬を見に行くことが好きでたまらない」という状態に皆さんを感化しなければいけないからです。ウマットの皆さんはそこまで馬に入れ込んでくれている人なんですが、皆さんがそうとは限りませんから…。 そこで、馬を見に行くことが好きになる、という仕掛けをしていくアプリを作ろう、となりました。これがウマビです。ただ、ここから馬と繋がる深い体験をしてもらいたいとおもっていることは変わりません。いつかは、今のウマビの延長線上で馬の心拍の状態が分かったり、それに合わせた音楽が流れたり、そういうリラックス効果のあるウマビPremiumのようなコンセプトも持っています。 今、登録していただいた人はもうすぐ3,000人になります。そして、毎日600人くらいの人がこのアプリを触ってくれています。グラとゴンタにそれだけのファンが付いてくれていることが、本当に嬉しいです。彼らをもっと推してもらえるように、YouTubeを通じてライブ配信などを実施予定です。 直近では野馬追をライブ配信しますので、ぜひお楽しみに!
- #39 ウマビ、スタート
こんにちは、高田崚史です。GWになって天気が良かったり悪かったり…皆さんも健康には気をつけてくださいね。 さて、題名の通り、ウマビがスタートしました。iPhoneだけの対応だったのですがブログを書いている現時点で2,770人の登録者がいます!SNSや周りの人の反応もとっても良く…本当に嬉しいです。馬が大好きな皆さんに喜んでいただいています。androidにも対応予定ですので今しばらくお待ちくださいね。 Horse Valueがやってきたこと、特にウマットメンバーの皆さんと大切にしてきたこと、発信してきたことが実を結んだと思っています。馬って素敵だよね、馬といる時間って素晴らしいよね、そのことそのものが価値あるものだよね、ということです。ウマビの作っている世界観がまさにそれであり、おかげでSNSにはとっても温かい空間があります。 スポーツをやってきた僕らの印象との間にギャップがあるかもしれないですが(ウマットメンバーにとってはここのギャップはあまりないと信じてますが)…間違いなくこの前提の中にしか、馬との良い関係性はないと思っています。馬が好き、馬といる時間が好きでなければ、馬は心を開いてくれないからです。 だからこそ、このウマビという大きな馬との時間に癒しを求める素晴らしさの上に、馬との目標追求の美しさも載せていきたいと思っています。馬と同じ目標を共有して、一緒に頑張る。これを馬がやってくれることを、できるだけ多くの人に体験してもらいたいと思います。その力強さや頼もしさにも、人が馬に癒される理由があると思います。 今日はあまりまとまってない話ですが、とにかくウマビの走り出しがうまくいって良かった、と安心していますし嬉しいです、ということと、ここからさらに馬の魅力が伝えやすくなるなぁ、と楽しみに思っています。 本当にありがとうございます!
- #38 南相馬で感じたこと 目標と幸せの話
こんにちは、高田崚史です。少し前になりますが、先々週に南相馬に行ってきました。実際に現地で皆さんとお会いして、一緒に時間を過ごせたのがとても嬉しかったです。やっぱりオンラインも良いですが、同じ空間で馬を見て、触れて、会話する時間には特別なものがありますね。 レッスンの合間やその後に、いろいろなお話をさせてもらいました。その中で改めて感じたことがあります。 それは、「良い目標って何だろう?」そして「幸せって何だろう?」ということです。 僕たちはつい、「もっと上手くなりたい」とか「もっとできるようになりたい」と思います。それ自体はとても自然なことですし、成長の原動力にもなります。ただ、その目標が本当に自分と馬にとって良いものなのか、という視点は意外と抜けがちだな、と感じました。 Horse Valueとして一番大切にしたいのは、シンプルに言うと「馬も人も幸せであること」です。これは綺麗ごとではなく、すごく現実的な話だと思っています。どちらかが無理をしている状態では、長く良い関係は続きません。 その上で大事になってくるのが、3つのステップです。 1つ目は、「人と馬の両方にとって適切な目標設定をすること」です。 例えば、人にとってはチャレンジングでやりがいのある目標でも、馬にとっては負担が大きすぎる場合もありますし、その逆もあります。だからこそ、どちらか一方ではなく、両者にとって意味のある目標を設定することがスタートになります。 2つ目は、「その目標に対して、人と馬のマッチングや状態管理を適切に行うこと」です。 どんなに良い目標でも、組み合わせやコンディションが合っていなければうまくいきません。馬の状態、人の経験や感情、その日のコンディションも含めて、その時々でベストな形を見ていく必要があります。これは技術というより、観察と理解の積み重ねだと思っています。 そして3つ目が、「その目標の難易度や課題を、人が現実的に理解していること」です。 ここがとても重要で、意外と難しい部分です。目標に対して「どれくらいのステップが必要なのか」「今どこにいるのか」を正しく理解できていないと、うまくいかないときに必要以上に落ち込んだり、逆に無理をさせてしまったりします。 今回、皆さんと話していて感じたのは、特に①と③の部分で少し無理があったり、納得しきれていないまま進んでしまっているケースが多いな、ということでした。 本当はもう少し目標を調整した方がいいのに、そのまま頑張ってしまったり。あるいは、今やっていることの意味やプロセスが見えないまま、とにかくやらなきゃいけないと感じてしまったり。 でも、それだと人も馬も少しずつ苦しくなってしまいます。 だからこそ、僕たちの役割はここにあると思っています。目標を一緒に整理して、現実的な形にしていくこと。そして、その過程をちゃんと理解できるようにすること。 そうすることで、無理に頑張るのではなく、「納得して進んでいく」状態を作ることができます。そしてその状態こそが、結果として一番スムーズに成長につながり、馬との関係も良くなっていくのだと思います。 南相馬で皆さんと過ごした時間は、改めてその大切さを感じる機会になりました。これからも、ただ上手くなるための場所ではなく、馬と人が無理なく前に進める場所として、この環境を作っていきたいと思います。 またぜひ、一緒に考えながら進んでいきましょう。
- #37 日本に帰ってきました
こんにちは、高田崚史です。3月にドイツから日本に帰ってきました。向こうで過ごした時間は本当に濃く、学ぶことの多い日々でしたが、やはり日本に帰ってくるとほっとしますね。空気感も、人との距離感も、どこか身体になじむものがあります。 そしてこれからは、南相馬のHorse Valueで、これまで以上に皆さんと直接関わる時間を増やしていきたいと思っています。レッスンはもちろん、馬と過ごす時間そのものを通して、Horse Valueが大切にしていることをもっと届けていきたいです。 4月3〜5日に久しぶりに南相馬で皆さんにお会いできました。また、他の乗馬クラブに通っている方がセッションに来てくれました。その人や、りょうへいさんとお話しさせてもらって今後伝えていくことがクリアになってきました。それは馬との関係性の捉え方。 僕は、馬との関係性を深めることそのものが目的となって馬と接してるんです。乗っている時も乗ってない時も。馬術選手というアスリートとして、それは意外に感じられるかもしれなくて、勝ちを目的としていると思われているのかもしれないんですが。でも、そうではないんです。なぜならその先の結果は自然と、自分の技術×馬の能力×馬との関係性に付随してくるものだからです。 その3つの内、自分の技術や馬の能力は練習すれば高まります。でも、馬との関係性は意識しないと高まらない。アマチュアの人は、ここを忘れがちなんだと気づきました。馬との関係性が良くなれば、こちらの意図は伝わりやすくなるし、抵抗も減るはずなのに、そこを見逃しがちなんです。 だからこそ、改めてこれから届けていきたいのは、「上手く乗ること」だけではありません。馬を通して自分を知ること、自分の状態を整えること、そしてその上で馬と自然につながっていくことです。強く動かす、抑える、形にする、という前に、自分の内側と外側が一致しているか。そこを丁寧に見ていく時間を作りたいと思っています。自分と繋がる、馬との関係性を深める、そこを大切にしたいのです。 最近ずっと書いてきた「魔法の螺旋」や、その前提となる成長サイクルも、まさにそのための考え方です。火・水・風・土という流れの中で、自分の意志を持ち、感情を受け止め、思考を整理し、行動にしていく。この循環が回り始めると、馬との関係も、自分自身の成長も、少しずつ自然に動き始めます。 これは何も、競技を目指す人だけの話ではありません。むしろ、はじめて馬に触れる人、なんとなく怖さがある人、うまくできない自分に悩んでいる人にこそ届けたいことです。馬との時間は、できる・できないを超えて、自分を知り、整え、前に進む感覚を教えてくれるものだと思っています。 そしてそれは、南相馬でのオフラインの場だけでなく、オンラインでも届けていきたいと考えています。現地で実際に馬と関わる体験には特別な力がありますが、その前提となる考え方や、自分を見つめる視点、馬との非言語コミュニケーションの面白さは、オンラインでも十分に共有できるはずです。 これからのHorse Valueでは、南相馬という場所を大切にしながら、レッスン、セッション、発信を通して、馬との関係性の奥深さを皆さんと一緒に育てていきたいです。馬を通して自分を知り、自分を整え、その先で人生そのものが少し豊かになる。そんな時間を、これからもっと増やしていけたら嬉しいです。 南相馬でお会いできる方も、オンラインでつながる方も、これからぜひ楽しみにしていてください。
- #36 魔法の螺旋の前提となる成長サイクルとは(2)
こんにちは、高田崚史です。さて、前回は「火・水・風・土」という4つのエネルギーが循環する「成長サイクル」の全体像についてお話ししました。今回は、このサイクルが具体的にどう馬との関係性に影響し、どうすれば「自力で上達し続けられる自分(自走)」になれるのか、その核心に触れていきたいと思います。 1. 火(意志・目的):すべては「灯」から始まる 多くの人が、馬に乗る瞬間に「ミスをしないようにしよう」「先生に怒られないようにしよう」という守りの姿勢に入ってしまいます。これが「火」が消えかかっている状態です。 ここでの「火」とは、技術的な成功ではなく「今日、私は馬とどうありたいか?」という能動的な意図です。恐怖に飲み込まれそうな時こそ、この小さな「灯」を思い出すことが、自分を救う第一歩になります。 2. 水(感情・交流):心の凪を作る 意志が定まったら、次は「水」の領域です。自分の緊張や「馬に嫌われているかも」という不安を否定せず、「あ、今私はドキドキしているな」と認めてあげること。 あなたが「凪(なぎ)」のような穏やかな状態でいれば、鏡である馬も安心し、対話の窓を開いてくれます。逆に、ここが「氷」のように固まっていると、どんなに正しい脚を使っても馬には届きません。 3. 風(論理・伝達):思考を「情報」に変える 感情が整ったら、ようやく「風」、つまり思考の出番です。起きた現象を冷静に分析し、「なぜ今、馬はこう動いたのか?」という仮説を立てます。 コツを詰め込むのではなく、馬が理解しやすいシンプルな言葉(合図)に情報を整理してあげる。パニックで頭が真っ白になるのは、この「風」が暴走している証拠です。一度立ち止まって、思考を整理する回路を作りましょう。 4. 土(効率・調和):整った内面が「形」になる 最後が「土」、目に見える身体操作と結果です。「火・水・風」が綺麗に流れていれば、体は自然と最小限の動きで馬と同調します。 「体が整えば、馬は動く」。力ずくで動かそうとするのではなく、内面を調律した結果として、しなやかな騎乗が生まれるのです。 このサイクルのどこかが詰まると、私たちは「上手くいかない……」と立ち止まってしまいます。でも、安心してください。大切なのは「失敗しないこと」ではなく、「崩れた瞬間に、どのボタンを押し直せばいいかを知っていること」です。 身体がガチガチなら、一度「水(感情)」に戻って息を吐く。 何をしていいか分からないなら、「火(目的)」に戻って意図を灯し直す。 てことは…いつもお話しているように「自己分析」が必須なわけです。自分の緊急ボタンを自覚することが大事ですから。 このように、指導者に依存せず、自分一人で「レスキュー・マップ」を広げて元のサイクルに戻れるようになること。これこそが、私たちが目指す「自走」の姿です。バラバラだった知識が、このサイクルという一本の串で繋がったとき、あなたの乗馬は「修行」から「自由な対話」へと変わります。 それでは、また次回お会いしましょう!
- #35 ワタリが教えてくれたこと
こんにちは、高田崚史です。まさか、アンジェロが亡くなってから半年も経たずにワタリンまで失ってしまうとは思いもしませんでした。3月2日、ワタリンが亡くなりました。13歳になるのを間近に控えたワタリンでしたが、12歳で息を引き取りました。 何を隠そう、Horse Valueの所属馬第一号です。色々な媒体にもHorse Valueを背負って出てくれました。Horse Valueといえば、白い馬ワタリン、だったのではないでしょうか。その人気は思っていた以上でした。それは、亡くなってからのSNSに対する皆様の反応に表れています。とんでもない数の反応をいただきました。 ワタリン、愛されていたんだね。 そしてそれは、ワタリンのキャラクターによるものです。分け隔てのない、頼もしい存在のワタリン。特に、はじめて馬に乗る人にとって、ワタリンは本当に頼もしい存在だったはずです。それは「良い子」であろうとしたからではありません。ありのままの、自然体の姿でいる時に、大人しく人を乗せている、これがワタリンだったのです。それこそが、ワタリンの魅力だったと思います。そう思うと、Horse Valueの他の3頭(アンジェロ、グラ、ゴンタ)とは違う彼だけの特別な才能だったのです。 ただ、頑固な馬でもありました。それは精神的にだけではなく身体としても表れていたと思います。あれだけどこにいってもげっぷする場所を探す馬はいないと思います(笑)その頑固さは最後、彼の腰や背中の不調を加速させてしまったと思います。 僕は、ワタリンを映像ではじめて見たときに「この馬はダメだ」と思い、神にもそう言いました。Horse Valueの一頭目になる時、僕は反対だったのです。なぜなら、神が乗っても入り口近くで止まろうとする、駈歩は出ない…。そんなの、乗馬・馬術という切り口だったらありえないことだからです。 でも、結果としてそれがHorse Valueの第一歩の大きな強みになってくれました。たくさんの人の「はじめての乗馬」を支えてくれました。Horse Valueが愛されるきっかけをくれました。僕にとっても、乗馬・馬術の価値観とは違う部分から馬を知る、愛するきっかけをくれた馬でした。海で全く動じないどころか海水を飲むワタリンを見て驚き、本当に心強く思いました。 残念だったことは、人を乗せなくても生きていける、ということを僕たちが実現する前にワタリンが行ってしまったことです。人は乗せられないけど立っていられる。そういう時期が長い症状もあります。 今後展開していくサービスやアプリはそういったことを実現するための大きな一歩になったはずです。とはいえ、僕たちがそういった馬たちの力になっていきたいと思っている想いは今回のワタリンのことで一層強くなりました。 ありがとう、ワタリン。