検索結果
空の検索で39件の結果が見つかりました。
- #40 ウマビの開発過程
こんにちは、高田崚史です。急に暑くなってきましたね。馬たちも健康に気を付けなくてはいけません。もうすぐ野馬追ですが、暑さが和らぎつつ天気が良いと良いですね…。今年の野馬追には、グラととしふく君が出陣します。今年はゴンタはお休み、彼が休むことのできる環境を整えられたことを嬉しく思います。神やりょうへいくんに感謝です。 さて、先々週に続きウマビについて話します。以前もお話させていただいたことがあると思いますが、このウマビ構想というのは1年以上前からありました。元々は、ホースミラーリングセッションで皆さんに感じてもらっているような、馬と繋がる体験をどのようにオンラインでお届けできるのか、より多くの人に分かっていただけるかがコンセプトにありました。 その中で最初に構想したのが、馬を見ながら何か習慣を進める「ながら」アプリです。馬と何かを頑張ることができれば自分も高まるし、その過程で馬と繋がることができるのでは?と考えたからです。 しかし、実際にプロトタイプを作ってみて「難しいな」と感じました。なぜなら、この前段階に「馬を見に行くことが好きでたまらない」という状態に皆さんを感化しなければいけないからです。ウマットの皆さんはそこまで馬に入れ込んでくれている人なんですが、皆さんがそうとは限りませんから…。 そこで、馬を見に行くことが好きになる、という仕掛けをしていくアプリを作ろう、となりました。これがウマビです。ただ、ここから馬と繋がる深い体験をしてもらいたいとおもっていることは変わりません。いつかは、今のウマビの延長線上で馬の心拍の状態が分かったり、それに合わせた音楽が流れたり、そういうリラックス効果のあるウマビPremiumのようなコンセプトも持っています。 今、登録していただいた人はもうすぐ3,000人になります。そして、毎日600人くらいの人がこのアプリを触ってくれています。グラとゴンタにそれだけのファンが付いてくれていることが、本当に嬉しいです。彼らをもっと推してもらえるように、YouTubeを通じてライブ配信などを実施予定です。 直近では野馬追をライブ配信しますので、ぜひお楽しみに!
- #39 ウマビ、スタート
こんにちは、高田崚史です。GWになって天気が良かったり悪かったり…皆さんも健康には気をつけてくださいね。 さて、題名の通り、ウマビがスタートしました。iPhoneだけの対応だったのですがブログを書いている現時点で2,770人の登録者がいます!SNSや周りの人の反応もとっても良く…本当に嬉しいです。馬が大好きな皆さんに喜んでいただいています。androidにも対応予定ですので今しばらくお待ちくださいね。 Horse Valueがやってきたこと、特にウマットメンバーの皆さんと大切にしてきたこと、発信してきたことが実を結んだと思っています。馬って素敵だよね、馬といる時間って素晴らしいよね、そのことそのものが価値あるものだよね、ということです。ウマビの作っている世界観がまさにそれであり、おかげでSNSにはとっても温かい空間があります。 スポーツをやってきた僕らの印象との間にギャップがあるかもしれないですが(ウマットメンバーにとってはここのギャップはあまりないと信じてますが)…間違いなくこの前提の中にしか、馬との良い関係性はないと思っています。馬が好き、馬といる時間が好きでなければ、馬は心を開いてくれないからです。 だからこそ、このウマビという大きな馬との時間に癒しを求める素晴らしさの上に、馬との目標追求の美しさも載せていきたいと思っています。馬と同じ目標を共有して、一緒に頑張る。これを馬がやってくれることを、できるだけ多くの人に体験してもらいたいと思います。その力強さや頼もしさにも、人が馬に癒される理由があると思います。 今日はあまりまとまってない話ですが、とにかくウマビの走り出しがうまくいって良かった、と安心していますし嬉しいです、ということと、ここからさらに馬の魅力が伝えやすくなるなぁ、と楽しみに思っています。 本当にありがとうございます!
- #38 南相馬で感じたこと 目標と幸せの話
こんにちは、高田崚史です。少し前になりますが、先々週に南相馬に行ってきました。実際に現地で皆さんとお会いして、一緒に時間を過ごせたのがとても嬉しかったです。やっぱりオンラインも良いですが、同じ空間で馬を見て、触れて、会話する時間には特別なものがありますね。 レッスンの合間やその後に、いろいろなお話をさせてもらいました。その中で改めて感じたことがあります。 それは、「良い目標って何だろう?」そして「幸せって何だろう?」ということです。 僕たちはつい、「もっと上手くなりたい」とか「もっとできるようになりたい」と思います。それ自体はとても自然なことですし、成長の原動力にもなります。ただ、その目標が本当に自分と馬にとって良いものなのか、という視点は意外と抜けがちだな、と感じました。 Horse Valueとして一番大切にしたいのは、シンプルに言うと「馬も人も幸せであること」です。これは綺麗ごとではなく、すごく現実的な話だと思っています。どちらかが無理をしている状態では、長く良い関係は続きません。 その上で大事になってくるのが、3つのステップです。 1つ目は、「人と馬の両方にとって適切な目標設定をすること」です。 例えば、人にとってはチャレンジングでやりがいのある目標でも、馬にとっては負担が大きすぎる場合もありますし、その逆もあります。だからこそ、どちらか一方ではなく、両者にとって意味のある目標を設定することがスタートになります。 2つ目は、「その目標に対して、人と馬のマッチングや状態管理を適切に行うこと」です。 どんなに良い目標でも、組み合わせやコンディションが合っていなければうまくいきません。馬の状態、人の経験や感情、その日のコンディションも含めて、その時々でベストな形を見ていく必要があります。これは技術というより、観察と理解の積み重ねだと思っています。 そして3つ目が、「その目標の難易度や課題を、人が現実的に理解していること」です。 ここがとても重要で、意外と難しい部分です。目標に対して「どれくらいのステップが必要なのか」「今どこにいるのか」を正しく理解できていないと、うまくいかないときに必要以上に落ち込んだり、逆に無理をさせてしまったりします。 今回、皆さんと話していて感じたのは、特に①と③の部分で少し無理があったり、納得しきれていないまま進んでしまっているケースが多いな、ということでした。 本当はもう少し目標を調整した方がいいのに、そのまま頑張ってしまったり。あるいは、今やっていることの意味やプロセスが見えないまま、とにかくやらなきゃいけないと感じてしまったり。 でも、それだと人も馬も少しずつ苦しくなってしまいます。 だからこそ、僕たちの役割はここにあると思っています。目標を一緒に整理して、現実的な形にしていくこと。そして、その過程をちゃんと理解できるようにすること。 そうすることで、無理に頑張るのではなく、「納得して進んでいく」状態を作ることができます。そしてその状態こそが、結果として一番スムーズに成長につながり、馬との関係も良くなっていくのだと思います。 南相馬で皆さんと過ごした時間は、改めてその大切さを感じる機会になりました。これからも、ただ上手くなるための場所ではなく、馬と人が無理なく前に進める場所として、この環境を作っていきたいと思います。 またぜひ、一緒に考えながら進んでいきましょう。
- #37 日本に帰ってきました
こんにちは、高田崚史です。3月にドイツから日本に帰ってきました。向こうで過ごした時間は本当に濃く、学ぶことの多い日々でしたが、やはり日本に帰ってくるとほっとしますね。空気感も、人との距離感も、どこか身体になじむものがあります。 そしてこれからは、南相馬のHorse Valueで、これまで以上に皆さんと直接関わる時間を増やしていきたいと思っています。レッスンはもちろん、馬と過ごす時間そのものを通して、Horse Valueが大切にしていることをもっと届けていきたいです。 4月3〜5日に久しぶりに南相馬で皆さんにお会いできました。また、他の乗馬クラブに通っている方がセッションに来てくれました。その人や、りょうへいさんとお話しさせてもらって今後伝えていくことがクリアになってきました。それは馬との関係性の捉え方。 僕は、馬との関係性を深めることそのものが目的となって馬と接してるんです。乗っている時も乗ってない時も。馬術選手というアスリートとして、それは意外に感じられるかもしれなくて、勝ちを目的としていると思われているのかもしれないんですが。でも、そうではないんです。なぜならその先の結果は自然と、自分の技術×馬の能力×馬との関係性に付随してくるものだからです。 その3つの内、自分の技術や馬の能力は練習すれば高まります。でも、馬との関係性は意識しないと高まらない。アマチュアの人は、ここを忘れがちなんだと気づきました。馬との関係性が良くなれば、こちらの意図は伝わりやすくなるし、抵抗も減るはずなのに、そこを見逃しがちなんです。 だからこそ、改めてこれから届けていきたいのは、「上手く乗ること」だけではありません。馬を通して自分を知ること、自分の状態を整えること、そしてその上で馬と自然につながっていくことです。強く動かす、抑える、形にする、という前に、自分の内側と外側が一致しているか。そこを丁寧に見ていく時間を作りたいと思っています。自分と繋がる、馬との関係性を深める、そこを大切にしたいのです。 最近ずっと書いてきた「魔法の螺旋」や、その前提となる成長サイクルも、まさにそのための考え方です。火・水・風・土という流れの中で、自分の意志を持ち、感情を受け止め、思考を整理し、行動にしていく。この循環が回り始めると、馬との関係も、自分自身の成長も、少しずつ自然に動き始めます。 これは何も、競技を目指す人だけの話ではありません。むしろ、はじめて馬に触れる人、なんとなく怖さがある人、うまくできない自分に悩んでいる人にこそ届けたいことです。馬との時間は、できる・できないを超えて、自分を知り、整え、前に進む感覚を教えてくれるものだと思っています。 そしてそれは、南相馬でのオフラインの場だけでなく、オンラインでも届けていきたいと考えています。現地で実際に馬と関わる体験には特別な力がありますが、その前提となる考え方や、自分を見つめる視点、馬との非言語コミュニケーションの面白さは、オンラインでも十分に共有できるはずです。 これからのHorse Valueでは、南相馬という場所を大切にしながら、レッスン、セッション、発信を通して、馬との関係性の奥深さを皆さんと一緒に育てていきたいです。馬を通して自分を知り、自分を整え、その先で人生そのものが少し豊かになる。そんな時間を、これからもっと増やしていけたら嬉しいです。 南相馬でお会いできる方も、オンラインでつながる方も、これからぜひ楽しみにしていてください。
- #36 魔法の螺旋の前提となる成長サイクルとは(2)
こんにちは、高田崚史です。さて、前回は「火・水・風・土」という4つのエネルギーが循環する「成長サイクル」の全体像についてお話ししました。今回は、このサイクルが具体的にどう馬との関係性に影響し、どうすれば「自力で上達し続けられる自分(自走)」になれるのか、その核心に触れていきたいと思います。 1. 火(意志・目的):すべては「灯」から始まる 多くの人が、馬に乗る瞬間に「ミスをしないようにしよう」「先生に怒られないようにしよう」という守りの姿勢に入ってしまいます。これが「火」が消えかかっている状態です。 ここでの「火」とは、技術的な成功ではなく「今日、私は馬とどうありたいか?」という能動的な意図です。恐怖に飲み込まれそうな時こそ、この小さな「灯」を思い出すことが、自分を救う第一歩になります。 2. 水(感情・交流):心の凪を作る 意志が定まったら、次は「水」の領域です。自分の緊張や「馬に嫌われているかも」という不安を否定せず、「あ、今私はドキドキしているな」と認めてあげること。 あなたが「凪(なぎ)」のような穏やかな状態でいれば、鏡である馬も安心し、対話の窓を開いてくれます。逆に、ここが「氷」のように固まっていると、どんなに正しい脚を使っても馬には届きません。 3. 風(論理・伝達):思考を「情報」に変える 感情が整ったら、ようやく「風」、つまり思考の出番です。起きた現象を冷静に分析し、「なぜ今、馬はこう動いたのか?」という仮説を立てます。 コツを詰め込むのではなく、馬が理解しやすいシンプルな言葉(合図)に情報を整理してあげる。パニックで頭が真っ白になるのは、この「風」が暴走している証拠です。一度立ち止まって、思考を整理する回路を作りましょう。 4. 土(効率・調和):整った内面が「形」になる 最後が「土」、目に見える身体操作と結果です。「火・水・風」が綺麗に流れていれば、体は自然と最小限の動きで馬と同調します。 「体が整えば、馬は動く」。力ずくで動かそうとするのではなく、内面を調律した結果として、しなやかな騎乗が生まれるのです。 このサイクルのどこかが詰まると、私たちは「上手くいかない……」と立ち止まってしまいます。でも、安心してください。大切なのは「失敗しないこと」ではなく、「崩れた瞬間に、どのボタンを押し直せばいいかを知っていること」です。 身体がガチガチなら、一度「水(感情)」に戻って息を吐く。 何をしていいか分からないなら、「火(目的)」に戻って意図を灯し直す。 てことは…いつもお話しているように「自己分析」が必須なわけです。自分の緊急ボタンを自覚することが大事ですから。 このように、指導者に依存せず、自分一人で「レスキュー・マップ」を広げて元のサイクルに戻れるようになること。これこそが、私たちが目指す「自走」の姿です。バラバラだった知識が、このサイクルという一本の串で繋がったとき、あなたの乗馬は「修行」から「自由な対話」へと変わります。 それでは、また次回お会いしましょう!
- #35 ワタリが教えてくれたこと
こんにちは、高田崚史です。まさか、アンジェロが亡くなってから半年も経たずにワタリンまで失ってしまうとは思いもしませんでした。3月2日、ワタリンが亡くなりました。13歳になるのを間近に控えたワタリンでしたが、12歳で息を引き取りました。 何を隠そう、Horse Valueの所属馬第一号です。色々な媒体にもHorse Valueを背負って出てくれました。Horse Valueといえば、白い馬ワタリン、だったのではないでしょうか。その人気は思っていた以上でした。それは、亡くなってからのSNSに対する皆様の反応に表れています。とんでもない数の反応をいただきました。 ワタリン、愛されていたんだね。 そしてそれは、ワタリンのキャラクターによるものです。分け隔てのない、頼もしい存在のワタリン。特に、はじめて馬に乗る人にとって、ワタリンは本当に頼もしい存在だったはずです。それは「良い子」であろうとしたからではありません。ありのままの、自然体の姿でいる時に、大人しく人を乗せている、これがワタリンだったのです。それこそが、ワタリンの魅力だったと思います。そう思うと、Horse Valueの他の3頭(アンジェロ、グラ、ゴンタ)とは違う彼だけの特別な才能だったのです。 ただ、頑固な馬でもありました。それは精神的にだけではなく身体としても表れていたと思います。あれだけどこにいってもげっぷする場所を探す馬はいないと思います(笑)その頑固さは最後、彼の腰や背中の不調を加速させてしまったと思います。 僕は、ワタリンを映像ではじめて見たときに「この馬はダメだ」と思い、神にもそう言いました。Horse Valueの一頭目になる時、僕は反対だったのです。なぜなら、神が乗っても入り口近くで止まろうとする、駈歩は出ない…。そんなの、乗馬・馬術という切り口だったらありえないことだからです。 でも、結果としてそれがHorse Valueの第一歩の大きな強みになってくれました。たくさんの人の「はじめての乗馬」を支えてくれました。Horse Valueが愛されるきっかけをくれました。僕にとっても、乗馬・馬術の価値観とは違う部分から馬を知る、愛するきっかけをくれた馬でした。海で全く動じないどころか海水を飲むワタリンを見て驚き、本当に心強く思いました。 残念だったことは、人を乗せなくても生きていける、ということを僕たちが実現する前にワタリンが行ってしまったことです。人は乗せられないけど立っていられる。そういう時期が長い症状もあります。 今後展開していくサービスやアプリはそういったことを実現するための大きな一歩になったはずです。とはいえ、僕たちがそういった馬たちの力になっていきたいと思っている想いは今回のワタリンのことで一層強くなりました。 ありがとう、ワタリン。
- #34 魔法の螺旋の前提となる成長サイクルとは(1)
こんにちは。高田崚史です。ヨーロッパは寒さの頂点に来ている感じがします。先週フィンランドに行っていたのですがマイナス20度の世界で体調を崩しました。皆様も体調にお気をつけてお過ごしくださいね。 さて、今日は前回までの2回でお話しした「馬との関係性が上手くいくようになる魔法の螺旋」をさらに深ぼってお話していきます。深ぼってと言いつつ、どちらかというと前提となるような大きな理論になります。少し概念的な話になりますが付いてきてください! 魔法の螺旋においては、感情の交換という部分においてどのようなことを意識し行動しなければいかないか、ということを書いてきました。しっかりと馬の感情を受け止め、こちらが自己開示して、その上で方向付け、どんな結果になってもその責任を引き受ける…。こんなポイントを意識しながら共鳴層➡同期層➡突破層と3層を駆け上がっていくんでした。 ただ、これって聞いたら当たり前というか、いやそれやってるつもりなんだけどなあ、とか思った方もいるんじゃないかな、と思います。これがなぜそうなっているかというと、それぞれの行動とか意識が細切れにやっているからなんだと思います。言い換えて言うと、皆さんの意識と行動が分断されている、と思うのです。 感情の受け止め、自己開示、方向付け…これをバラバラにやっても中々上手くいきません。そもそもその中に得意・苦手があることもあるし、これらの行動が綺麗に流れていないと結果に繋がらず、自分のやっている行動ってダメなんじゃないか…と全否定に入ってしまうことがあるからです。こうなると「できない自分」という自己像を作ってしまい、馬との関係性も上手くいかなくなるのです。ということで、この人間の意識と行動を、繋がりをもって捉えなければいけないのです。 ここで出てくるのが、成長サイクルです。成長サイクルは4つの要素で構成されます。 火:意志、アイディア、想い 水:感情、繋がり、交流 風:思考、拡大、伝達 土:行動、身体、結果 これを火➡水➡風➡土➡次の火、と回していくのが成長サイクルです。これは、実は馬との関係性に限ったものではありません。火、水、風、土という自然エネルギーを人間はあらゆる成長局面で回しているのです。ただし、先ほどお話したようにこのエネルギーのどこかで詰まってしまう癖がある…これが人間です。 前回までお話した螺旋で、関係性においては、感情を共鳴させ、同期し(方向性を合わせ)、突破する(行動する)ということだったと思うのですが、それはあくまで関係性の中で重要な部分をピックアップしただけでその中で起こっていることを見ていくと、火➡水➡風➡土、のエネルギーを回していく必要があるのです。 だからこそ、この螺旋の話が個々にやるべきこととしては理解できるけど…となってしまいがちなのです。ちなみに、多くのハウツーはこの繋がりを欠きがちです。このサイクルを前提として個々のアドバイスが理解できれば良いのですが…なかなかそうはいかないものです。 今回はここまで。次回でさらに詳しくこのサイクルを見ていきます!
- #33 馬が自ら動くようになる魔法の螺旋(2)
こんにちは、高田崚史です。まだまだ寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?前回は「馬が自ら動くようになる魔法の螺旋」についてお話ししました。今回はその前提となる、自己理解と非言語コミュニケーションの重要性についてお伝えしたいと思います。 馬と向き合うとき、多くの人が「どう伝えれば動いてくれるのか」「正しい扶助は何か」といった技術に意識を向けます。しかし実際には、その前に問われているものがあります。それが、自分自身の状態をどれだけ理解できているか、ということです。 馬は言葉を持ちません。だからこそ、人が発している非言語の情報を驚くほど正確に受け取っています。姿勢、呼吸、筋肉の緊張、視線、迷い、そういったものすべてが、そのままメッセージとして伝わります。つまり、私たちは「伝えているつもりのこと」ではなく、「実際に在る状態」を馬に読まれているのです。 例えば、前に進んでほしい場面を想像してみてください。脚で合図を送り、手綱も整え、「進んでいいよ」と伝えている。それでも馬が一歩をためらうことがあります。そんなとき、少し自分の内側に目を向けてみると、「速くなりすぎたらどうしよう」「ちゃんとコントロールできるかな」というあなたの不安が潜んでいることがよくあります。 面白いことに、馬はその無意識のブレーキを正確に感じ取ります。身体は前進の合図を出しているのに、意識は止めようとしている。この不一致が、馬にとっては最も分かりづらいサインなのです。結果として、馬は「本当はどっちなの?」と問いかけるように、動きを小さくしたり、様子を見たりします。 逆に、自分の中で「進む」と決まった瞬間、馬の反応が突然変わることがあります。強く脚を使ったわけでもないのに、すっと前に出る。あの感覚を味わったことがある方もいるのではないでしょうか。技術が急に上がったわけではありません。ただ、内側と外側が一致したのです。 ここで大切なのは、「不安を持ってはいけない」ということではありません。不安を感じるのは自然なことです。問題になるのは、それに気づかないまま馬に向かうことです。自分はいま緊張しているな、少し怖いと思っているな、と理解できた瞬間、人は呼吸を整えることができます。そして、その整った状態こそが、馬にとっての安心材料になります。 これは地上でも同じです。曳き馬をしているとき、こちらが次の動きを迷っていると、馬は足を止めたり、周囲に意識を向けたりします。一方で、行き先が自分の中ではっきりしていると、リードを強く引かなくても自然と横に来てくれる。馬は力ではなく、意図の明確さについてきているのです。 非言語コミュニケーションとは、特別な技術ではありません。むしろ、自分の状態がそのまま関係性になる、というとてもシンプルなものです。だからこそ自己理解が深まるほど、馬とのやり取りは静かで、無理のないものになっていきます。 前回お話しした螺旋の第一段階、「安心できる存在かどうか」は、テクニックではなくこの自己理解から始まります。自分を理解し、整え、その状態で馬の前に立つ。すると馬は耳を向け、呼吸を合わせ、少しずつ関係が動き出します。そして、その安心を築くことで自然な非言語コミュニケーションが機能し始めるのです。 馬との関係を良くしようとするとき、外側に答えを探したくなるものです。ですが実は、最も大きな影響力を持っているのは、いつも自分自身です。だからこそ、まずは自分を知ること。そこからすべてが始まります。 次回は、この螺旋の考え方を包括するようなさらに大きな理論の話をしたいと思います。ここからの理論は、世界中どこを探しても聞くことができないものですのでお楽しみに!
- #32 馬が自ら動くようになる魔法の螺旋(1)
こんにちは、高田崚史です。少し降った雪が一生溶けない、シュツットガルトからお送りしています。 今日は、昨年末から別の形で取り組んでいたものが、丙午年2026に理論として降りてきた「馬が自ら動くようになる魔法の螺旋」についてお話ししようと思います。1月末ごろにYouTubeにて解説を出す予定なのですが、ここで情報を先出しします。 まずは理論の概要を。これは、馬が自ら動くようになるにはどうすれば良いか?についてのお話です。そして、それは3ステップの螺旋で起こる、ということです。 皆さんにいつもお伝えしているように、馬との関係がうまくいかないとき、多くの場合、問題は技術ややり方ではありません。人と馬の関係は、「安心できるか」「同じ方向を見ているか」「自分の意思で動きたいと思えているか」という、三つの段階を通じて深まっていきます。これを私は「相互作用の螺旋」と呼んでいます。一段ずつ積み上がり、うまくいくほど関係は深まりますが、どこかが崩れれば、また前の段階に戻る。馬との関係は直線ではなく、螺旋のように育っていくのです。 最初に必要なのは、「この人は安心できる存在か」という感覚です。馬は人の言葉や肩書きではなく、その瞬間の状態を感じ取っています。こちらが内心で焦っていたり、うまくやろうと力んでいたり、自分をごまかしていたりすると、馬はそれを不一致として感じ、距離を取ります。逆に、自分の不安や緊張を自覚し、呼吸が整い、内側と外側が一致したとき、馬は耳を向け、こちらに意識を向け始めます。ここが関係の出発点であり、どんな高度な技術よりも先に整える必要のある土台です。 安心が生まれると、次に問われるのは「同じ景色を見ているかどうか」です。馬は細かな指示で動く存在ではありません。大切なのは、これからどこへ行くのか、どんな動きを描いているのかというイメージを共有できているかです。人が頭の中で描いているものと、身体から伝わっているものが一致したとき、馬はパートナーとして動き始めます。ここでは「やり方」よりも、「何を一緒にやりたいのか」という意志の明確さが問われます。ここに、僕が年末お話ししたイメージングの話があります。 最後の段階は、馬が自分の意思で動きたいと思えるかどうかです。馬は、支配されていると感じた瞬間に力を失います。一方で、完全に任され放しでも動きません。人が手綱を通して伝えるべきなのは、「自由に動いていい。しかし、何が起きても責任は私が引き受ける」という覚悟です。その覚悟が伝わったとき、馬は驚くほど自律的に、そして力強く動き出します。 この三つの段階は、一度通れば終わりではありません。状況が変われば、馬の状態も、人の状態も変わります。すると、また安心からやり直す必要が出てきます。ただし、そのたびに理解と信頼は少しずつ深まっていく。これが「螺旋」である理由です。馬が動かないとき、それは失敗ではなく、「今どの段階でつまずいているか」を教えてくれているサインなのです。 この理論の解説はYouTubeで発信しますし、今後もオンライン交流会などで取り上げていきたいと思っています!次回は、この前提となる自己理解と非言語コミュニケーションについて話したいと思います。
- #31 丙午年2026
こんにちは、高田崚史です。新年、明けましておめでとうございます。昨年は本当にお世話になりました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 さて、今年の話に入っていく前に、2025年末ついに皆様にお会いできたことがとっても嬉しかったです。これは、神・りょうへいくん(あと聖馬)のお陰であるのでそこも感謝しつつ、まず皆様がこんな風に僕たちを応援しつつ参加してくださる、アットホームな雰囲気が本当にありがたかったです。 寒かったですが、たくさんのことがお伝えできていればよいな、と思います。クリニックはある程度準備したものを話しつつ、その馬や場に合わせてでしたので、前回・前々回でお話しした内容を一部網羅できませんでしたね。 特に馬の状態把握の面で、馬を感じることに主眼を置いたため、皆様自身の癖によって引き起こされていることや、馬の性格などについてお話ししながらできなかったな、と振り返って思います。とはいえ、まずは馬の動きを感じる。特に馬の流れを感じる。の部分が根幹になってきますのでそこがお伝えできて良かったです。 馬個別についてだったり、皆様自身の個別の癖については、また別の機会でイベントをさせてもらえると嬉しいです。 さて、ここから2026年の話。2026年は60年に1度の丙午年(ひのえうまどし)です。これが、どんな年かというと「火」のエネルギーが強い年であると言われています。火のように情熱的で、意欲的で、アイディアに溢れた年ということです。 Horse Valueとしては、いくつかのことを新たにやっていきたいと思っています。 ➀馬術競技に力を入れます →火のエネルギーを持って競技に出る人がベストの結果を出せる年にします →その時間や結果を通じて皆様に知識や体験を共有します ➁アプリを作ります →世界中どこを探してもない、馬をライブで見ることのできるアプリを作ります →皆様に楽しんでほしいのと、是非馬好きのお仲間に広げてほしいです ③夏は休みます →馬の負荷を考え、7月と8月のレッスン業務・トレッキング業務を停止します →ウマットメンバーさん限定で、スペシャル朝活イベントを考えています 2026年、火のように結果を求め努力し、新しい事業を立ちあげ、同時に燃え尽きないように、暴走しすぎないように夏は休む。丙午年ならではの1年にしていきたいと思っています。皆様、ご理解とご協力、応援をお願いします。 こんなことしてほしい!というご要望もどんどん受けていこうと思っています。是非オンライン交流会やメッセージなどでお気軽にご相談ください。
- #30 クリニックのテーマ(2)
こんにちは、高田崚史です。日本もついにとっても寒くなってきたようですね。風邪やインフルにはお気を付けください。 さて、前回もお伝えしましたが、ブログ公開当日の12月27日(土)13時から16時で、「馬への適切な伝え方」「馬の状態把握」の2点を最大のテーマとしながら、クリニックを行います。説明や質問に答えるだけでなく実技も交えます。 乗馬実技は事前に申し込みいただいた方のレッスンも含みます。レッスンを受ける方は、普段乗っている馬を高田が下乗りして調整することで、どう変化するのか体感として感じてもらうことができます。レッスンに関してはもう満席になってしまいましたが… オブザーブ(ウマット会員さん無料、会員さんではない方1人5,000円)も大歓迎です。オブザーブの方も説明や下乗りの様子を解説付きで見ることができ勉強になると思います!本日開催ですが、思いきって当日飛び込み参加も大歓迎です。 前回と今回の2回で、前もってクリニックのテーマについてお話ししておこうと思います。先々週は「馬への適切な伝え方」をお伝えしたので、今回は「馬の状態把握」についてお話ししていきたいと思います。 前回、馬に「良い状態」をイメージさせることが大切、と話しましたね。そんな中で当然うまくいかないこともあるでしょう。つまり、馬が悪い状態である時があるということです。ここで、状態把握を正確にできる必要があります。そうでなければ、その間違いを正していくポイントを逃してしまうからです。 前回も話したように、悪いところをダメ!と伝えるのはできるだけ明確に、ポイントを絞った方が良いです。そのポイントがズレていると大変です。だからこそ状態把握が命なわけです。 例えば、皆さんは「馬になめられている」と言われたことはありませんか?さて、それってどんな状態のことを指していますか?これって、馬が指示を聞き入れてくれない場合に言われると思いますが、もっと詳しく見ていく必要があります。 甘えられている?指示が伝わっていない?嫌がられている?抵抗されている? そしてその馬は 素直で良い子?性格が難しい子?おっとりした子?気が強い子? この点をしっかり知るのも大切です。ここに対する理解がないままに、なめられているということは気を強く持たなきゃ!とか厳しくしなきゃ!とかなってしまっていることが多いんです。結果として前回お話ししたような、これもダメあれもダメに繋がっているケースが多く見られます。 本日は是非このポイントをしっかりと体験してもらいたいと思っています。 さて、本日お会いできる方は楽しみにしています!そしてそうでない方、28日の年内最後のオンライン交流会に出られない方は、良いお年を。来年もよろしくお願いします!
- #29 クリニックのテーマ(1)
こんにちは、高田崚史です。日本もついにとっても寒くなってきたようですね。風邪やインフルにはお気を付けください。 さて、以前もお伝えしましたが、12月27日(土)13時から16時で、「馬への適切な伝え方」「馬の状態把握」の2点を最大のテーマとしながら、クリニックを行います。説明や質問に答えるだけでなく実技も交えます。 乗馬実技は事前に申し込みいただいた方のレッスンも含みます。レッスンを受ける方は、普段乗っている馬を高田が下乗りして調整することで、どう変化するのか体感として感じてもらうことができます。レッスンに関してはもう満席になってしまいましたが… オブザーブ(ウマット会員さん無料、会員さんではない方1人5,000円)も大歓迎です。オブザーブの方も説明や下乗りの様子を解説付きで見ることができ勉強になると思います! 今日は、前もってクリニックのテーマについてお話ししておこうと思います。再来週の27日の午前と合わせて2回分に分けてお伝えしますね。 一つ目のテーマは、馬への適切な伝え方についてです。 ここでのポイントは「良いことを伝える」です。どういうことか。これ実は人間への指示の仕方や教え方でも同じだと言われています。逆にダメなパターンは、やってはいけないことを「ダメ、ダメ」と伝え続けること。これでは、馬は何をすればよいのかイメージが湧きません。 僕が乗っている時最も大事にしているのは、良いイメージを持つことです。そしてそれを馬に表現してもらうにはどうしたら良いのだろう?というアプローチの仕方をします。もし、馬がそれを表現してくれた時に「そういうこと!」と褒めてあげるようにするのです。 皆さんも、初めて何かをやるときに、これやっちゃダメ、これもダメ、と言われるとわけがわからないですよね?まずは、大体こういうイメージ、と見てからやってみて、うまくいったところを褒めてもらいたいはずです。そして間違いなくその方が成長が早いのです。(皆さんの乗馬も全く同じなので、Horse Valueとしては褒めて伸ばす、みたいなスタイルと言われることが多いです。) 馬がそれをしっかりとイメージして「何が良い」のか分かっているかがとっても大事で、それが分かっているうえで抵抗しているのだとしたら、そこで初めてダメ!と伝えるのです。しかも、何がダメかをより明確に、短く、集中して、です。そういった場合には、馬も何がダメか分かっています。多くの場合は、この何が良いのかの前提共有ができていない中で、ダメ!ダメ!と押し付けているパターンになってしまっています。 だからこそ、良い状態の馬に乗る、とか良い状態を覚えておく、とか上手い人が乗っているのを見る、とかイメージ作りがとっても大切なのです。できるだけ初心者のうちは、馬の良いところを吸収していけるようになると良いと思います。 再来週は、このテーマを最も大切なこととして取り扱っていきます。